横領とは、不法に他人や公共の財物を自分のものとしたり、処分(利用する、第三者へ譲渡するなど)したりすることとされています。
刑法上、横領という言葉の付く犯罪には単純横領罪、業務上横領罪、遺失物横領罪の3種類があります。
単純横領罪は、他人から預かっていたり保管を依頼されていた財物を勝手に自分のものにすることで、公務所(役所や警察署など公務員が職務を行うための場所)から保管を命じられたものを勝手に処分することも罪とされています。
業務上横領罪は、基本的には単純横領罪と同様ですが、業務として預かる、保管していた財物を横領することを罪としています。
単純横領罪と業務上横領罪は業務が関わっているかいないかというだけの違いですが、前者は法定刑が5年以下の懲役であるのに対し、後者は10年以下の懲役となっており、より厳罰化されています。
またこれらとは少し違い遺失物横領罪(占有離脱物横領罪)というものもあり、これは落とし物や置き忘れの物などを自分のものとしてしまうことを罪としています。
遺失物横領に関しては、窃盗との違いが問題となります。
遺失物横領罪の法定刑が1年以下の懲役又は10万円以下の罰金であるのに対し、窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金であり大きく異なることから、罪の認定をめぐって裁判に至ることも多くあります。
この点、窃盗は他人の占有状態にある物を奪うこと、遺失物横領は占有状態にない物を奪うこととされており、奪われた物が占有状態にあったのかの判断は時間(どのくらいその物が所有者の手元を離れていたのか)、場所(所有者がどのくらい物から離れていたのか)などから判断されます。
こうした横領罪においては示談(被害者と加害者の間の民事上の和解)や被害の弁済が起訴不起訴の判断や有罪になった場合でもその量刑に大きく影響します。示談に関しては被害者のプライバシーの観点などから弁護士でなければ行えないこともあります。また否認事件でも被疑者(俗にいう容疑者)より有利な証拠の収集活動を行い、無罪を主張していかなければならないため、どちらの場合でもいち早く弁護士に弁護を依頼することが大切です。
横領罪とは
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