迷惑防止条例とは、公共団体が制定している条例(憲法94条で制定することが認められ、制定された公共団体内でのみ効力を持つもの)の一つであり、正式には公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(東京都や神奈川県)ですが、その略称として広く知られています。
内容としては、例えば、ダフ屋行為(乗車券等を不特定多数に対し不当に転売する行為)やシヨバヤ行為(列車などの座席の確保を、対価を得て行う行為)、パチンコなどの景品を転売する行為、粗暴行為(盗撮やわいせつ行為、ぐれん隊行為(暴力的な行為や暴走族のような行為))、付きまとい行為、押し売り行為、ピンクビラ(性的好奇心をそそる文言や水着、裸の写真や絵の描かれたビラ)を配る行為が禁止されています(東京都、神奈川県)。
中でも「盗撮」や「わいせつ行為」に関わる事件が近年多発しています。
「盗撮」は粗暴行為にあたり、粗暴行為とは人を羞恥させたり不安にさせたりする行為のことです。そのため通常人が一部又は全部衣服を身に着けていない場所、もしくは通常は衣服で隠されている部分を撮影しようとすることがその一例となります。具体的にはトイレやシャワー、浴室(衣服を脱いで使用する場である)の撮影やスカートの中(スカートで隠されている部分)を撮影することが禁止事項に当たります。また人を不安にする行為として不特定多数が利用、出入りする空間(タクシーや電車内、カラオケボックスなどの個室)を撮影する行為も盗撮として禁止されています。これらの行為は撮影しようとすること自体を禁止事項としているため、実際には撮影できていなくても犯罪となります。
臀部や胸部などを触る「わいせつ行為(痴漢行為)」も上記盗撮と同様に粗暴行為として禁止されています。迷惑防止条例違反と刑法の強制わいせつに当たるかの境界は、触る行為が衣服の上からであるか、衣服の中に手などを入れているかであり、前者であれば迷惑防止条例違反、後者であれば強制わいせつとなります。最近では髪のにおいを嗅ぐなど、直接的に触れていなくとも迷惑防止条例違反として検挙された事件もあり、条例で規定された違反行為の解釈の幅が広くなってきていると考えられます。
迷惑防止条例違反とは
弁護士 水野 博之(アレイナ横浜法律事務所)が提供する基礎知識
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弁護士 水野 博之(アレイナ横浜法律事務所)(神奈川県/横浜市、川崎市、藤沢市、横須賀市)|迷惑防止条例違反とは