・弁護士費用については、以前は弁護士会の"弁護士報酬等基準規定"によって基準が決められていました。
しかし平成15年(2003年)の通常国会で弁護士法第33条が改正されたのにともない、平成16年4月1日から弁護士会としての報酬基準はなくなり、弁護士報酬はいわば「自由化」されました。
ただ弁護士費用の目安を決めるという意味で、多くの事務所は現在も旧"弁護士報酬等基準規定"を利用しています(ご参考までに末尾に規定の一部を記載します)。
もっとも、この規定に従うと、弁護士費用が案件の割には幾分高額になることもあります。ですから、私は、案件により規定よりも低い金額で依頼をお受けすることもよくあります(案件の内容が複雑な場合には、規定と同じ水準の費用をいただくこともあります)。
いずれにせよ、予め示された報酬額が高額と感じたのであれば、金額や支払方法について率直にお話いただきたいと思います。
参考までに、私がご依頼をいただいた場合の、一部案件の弁護士費用例を示します。なお、「着手金」とは受任した時にお支払い又は発生する費用、「報酬金」とはご依頼の案件が終了した時の報酬です(費用の分割については、ご相談に応じます)。
■相談料
初回無料(特に時間の制限は設けません。ただし、前後の用事によって影響されることもあると思いますが、その際は事前にお伝えします)。
■相続案件 ※費用の分割払い可
(着手金)
- ・
- 代理交渉から受任の場合 15万円+消費税
- →
- 遺産分割調停に進むときは、追加で20万円+消費税(遺産分割審判手続きも含む)
- ・
- 産分割調停から受任の場合 30万円+消費税
(終了報酬)
- ・
- 20万円 及び 遺産分割により得た経済的利益の額の12%+消費税
■離婚案件 ※費用の分割払い可
(着手金)
- ・
- 協議離婚の代理交渉から受任の場合 15万円+消費税
- →
- 離婚調停に進むときは、追加で10万円+消費税
- →
- さらに離婚訴訟に進むときは、追加で10万円+消費税
- ・
- 離婚調停から受任の場合 25万円+消費税
- →
- 離婚訴訟に進むときは、追加で10万円+消費税
- ・
- 離婚訴訟から受任の場合 30万円+消費税
(終了報酬)
- ・
- 離婚成立で20万円+消費税
- ・
- 親権が争いになる案件で、離婚成立し更に親権を獲得した場合
- →
- 追加 10万円+消費税
- ・
- 慰謝料・財産分与などの経済的利益を得た場合
- →
- 追加 その利益額の12%+消費税
- (・
- 慰謝料・財産分与などを請求されている場合)
- →
- 追加・相手の請求から減額に成功した額の10%+消費税
■不貞の慰謝料請求案件 ※費用の分割払い可
(着手金)(請求する側であっても、請求されている側であっても)
- ・
- 交渉段階から 16万円+消費税
- ・
- 調停・訴訟段階から 24万円+消費税
(終了報酬)
- ・
- 請求する側 認容された金額の15%+消費税
- ・
- 請求される側 相手の請求について減額に成功した金額の15%+消費税
■不動産の案件 ※費用の分割払い可
…不動産の案件は、どのような結果を求めるかが案件ごとに異なるので、一概には費用の目安をお伝えできませんが、概ね以下のとおりです。
(着手金)
- 30万円+消費税 (事案が複雑である場合、40万円+消費税)
(終了報酬)
- 獲得した利益が金額で算定できる場合 その利益額の8~12%+消費税
■任意整理 ※費用の分割払い可
- (着手金)
- :1社3万円(+消費税)
- (報酬金)
- :減額に成功した金額の10%(+消費税)
■過払い ※費用の分割払い可
- (着手金)
- :1社2万円(+消費税)
- (報酬金)
- :成功報酬として、18%(+消費税)
■個人再生 ※費用の分割払い可
- (着手金)
- :20万円(+消費税)
- (報酬金)
- :20万円(+消費税)+住宅資金特別条項の場合は追加で10万円(+消費税)
■破産(個人) ※費用の分割払い可
- (着手金)
- :債務額が300万円以下の場合は 15万円(+消費税)
債務額が300万円を超える場合は、債務額の5%相当額(+消費税)。ただし、原則として上限を30万円にします。
- (報酬金)
- :免責された債務額が300万円以下の場合は 15万円(+消費税)
免責された債務額が300万円を超える場合は、債務額の5%相当額(+消費税)。ただし、原則として上限を30万円にします。
■破産(法人) ※費用の分割払い可
・休眠会社で資産がない場合
- (着手金)
- :15万円~30万円(+消費税)。債務額等によって決定します。
- (報酬金)
- :15万円~30万円(+消費税)。債務額等によって決定します。
・それ以外
- (着手金)
- : 30万円(+消費税)~。資産の額、債務額等によって決定します。
- (報酬金)
- :30万円(+消費税)~。資産の額、債務額等によって決定します。
【参考】旧報酬規定による一般訴訟事件の弁護士費用
<着手金>
300万円以下の場合 | 経済的利益の8%に当たる金額 |
---|---|
300万円を超え、3000万円以下の場合 | 経済的利益の5%に当たる金額+9万円 |
3000万円を超え、3億円以下の場合 | 経済的利益の3%に当たる金額+69万円 |
3億円以上の場合 | 経済的利益の2%に当たる金額+369万円 |
<報酬金>
300万円以下の場合 | 経済的利益の16%に当たる金額 |
---|---|
300万円を超え、3000万円以下の場合 | 経済的利益の10%に当たる金額+18万円 |
3000万円を超え、3億円以下の場合 | 経済的利益の6%に当たる金額+138万円 |
3億円以上の場合 | 経済的利益の4%に当たる金額+738万円 |
弁護士 水野 博之(アレイナ横浜法律事務所)が提供する基礎知識
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